日々徒然

zatta!

ラストマイル

面白かったー!!

最後までドキドキハラハラして、伏線回収もきれいでよかった! アンナチュラルとMIU404の面々にまた会えてうれしかったし、ストーリーの主軸となる映画のキャラクターたちも個性的で惹きつけられた。ドラマの映画化(厳密にいうと今回はドラマの映画化ではないが)は「これならテレビで放送するのを待てばよかった」となる作品もあるけれど、見応え十分で映画館のスクリーンと音響で観る価値があると思う。脚本が見事。八割方脚本を目当てに行ったので満足。必死にネタバレを回避した甲斐があった。パンフレットが売り切れていて残念。また入荷するそうなので機会があれば。

これでやっと他人様の感想を検索できるぞー!

ひとつ懸念点があるとすれば、追い詰められた経験がある人はちょっと……かなり厳しい場面があるので、その心構えはして行った方がいいのかなと。自分は極力情報を入れずに行ったのでノーガードで食らって結構しんどかった。蓋をして仕舞っておいた記憶が飛び出してきて、つらくて苦しくて、ストーリーがどうとか演技がどうとか演出がどうとかそういう部分ではないところで泣いてしまった。思い当たる節がある人は気をつけて。……気をつけて? どう言えばいいかわからないけれど、とにかく気をつけて。

でも、それをずっと引き摺るわけではなく(せっかく忘れていたのに蘇ったからしばらくは思い出すんだろうなーというのはありつつも)見てよかったと思うし、間違いなく面白かったし、余韻がすごいし、色々と考えさせられるし、後悔はまったくしていない。ただ、わりと重めの作品だったよ、だから心の準備だけはして行ってねっていう。

アンナチュラルとMIU404を見返して、もう一度観に行きたい。





懸念点に関するくそ長自分語り。文章として吐き出すことで昇華する為のものなので、いつにもまして他人に読ませるものではない。でも、自分には必要なので。


ネタバレです。





毎日死にたい線路に飛びこみたいと思いながら電車に揺られていた時期の記憶がフラッシュバックして本っ当にきつかった。「大勢の人に迷惑がかかる、家族に損害賠償が請求される、そんなことは決してできない」という一心で踏みとどまっていたあの頃。朝は虚ろな目で、帰りは泣きながらずたぼろのからだを引き摺り職場へ通っていたあの頃。家は箱。食事は餌。最低限の物しかないがらんとした部屋にからっぽの肉体が横たわるだけの空虚な時間。

ベルトコンベアを止める方がこわかった時間が、稼働率が下がる方がおそろしくてたまらなかった時間が、「変えたい」と「変えられない」が交錯する時間が、そこへ至るまでにたくさんあったんだろうな。何かを変える方がこわくて、変わらないままの方が楽で、我慢して耐える方がマシだと自分へ言い聞かせてやり過ごそうとするけれど上手くはいかなくて、でもやっぱり変える方がこわくて何もできない。蹲っていても仕方がないとわかっているのに一歩も動けない。くり返し、くり返し、積み重ね。

冷蔵庫にアルコールがないと不安だった。眠れない夜に縋る先が必要だったから。人ではなく音楽へ救いを求めた。みんな自分の人生があるのに迷惑はかけられないから。

してはいけない現状維持。永遠には続かない、続けられない。いつかは終わる。限界が来て、崩れる。何がきっかけとか、本当はあるんだろうけれどももはや自覚する余裕すらなく、不意にその時は訪れる。積み上げた時間が、痛みが、悲鳴が、雪崩れる。


そして、越える。


今はメンタルも強くなって、何事もなく元気に日々を過ごしている。でも、ふとした時に傷口がひらいてどくどくと血が流れだす。一度ついた傷は消えない。負ったダメージはなかったことにはならない。壊れる前のきれいなかたちには戻れない。どれだけ上手く取り繕って生きていても、自分ですら制御できない己の不安定さを他人にも自分にもひた隠して「大丈夫」だと暗示をかけても、ささいなことで崩れてしまう。そんな自分と一生、一緒に生きていく。こんな思いしなくて済むならそれに越したことはなくて、だから、大切な人たちにはいつまでも健康で、幸せでいてほしい。

自分は今すごく元気だし、傷を抱えた自分と上手く付き合えているし、ちょっぴりきつい経験をしたおかげで他人にすこしやさしくできる気がするし、できるだけ他者へ寄り添いたいと思える。

色々あって辿り着いた今の自分が好きだから全然いいんだけれど、それでもあの頃のことはあんまり思い出したくなくて”暗黒時代"(※黒歴史ではない)として記憶を封印しているので、それが元気にぽーんと飛び出してきて泣き笑いなところは正直ある。飛び出してくんなし笑。

きれいさっぱりなかったことにできたらいいんだけれど、それは無理なので。だから、推しに対して心ないことを言っている人を目にすると怒りがわいてくる。何が起きても不思議じゃないんだよ。だって、彼がああいう風になること自体予想外だったでしょう。人間ってそうなんです。人生ってそうなんです。そういうものなんです。


だから、もっと大切にしようよ。自分も。他人も。



youtu.be

エンドロールの『がらくた』あまりにもトドメすぎる笑。

やっぱり米津は天才。